115号室

日常や物語のあれそれ

彼岸花

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ごきげんよう。橘です。

彼岸花が畦道に咲く季節ですね。
日本人は椿や桜、彼岸花など少し不吉な由縁を持つ美しい花を好むように思います。

彼岸花は別名 曼珠沙華、地獄花、火事花、などなど名前が沢山。愛されてますね。
大陸では曼珠沙華、天上に咲く花だとされますが、日本では地獄花、地獄や死のイメージが強いような。

火事花、というのは彼岸花を手折って家に飾ると火事になるという説話からだと思われます。
本当に火事になっていたのかは分かりません。
彼岸花の根には毒があります。田の畦道沿いに植えられているのは毒で野鼠や土竜除けを行うためだとか。
茎から出る汁でも皮膚がかぶれたりするので子供が手折らないようにそういう説話で言い聞かせていたのかもしれません。
皆さんもお気をつけください。

家に飾ったら火事になると言いますが、園芸品種のリコリスは庭に植えますし、切り花として花屋で売り買いされます。
リコリスって彼岸花の洋名なんですけどね。
白・黄・桃色。色んな色があります。クリーム色とか。
でも赤を花屋で見たことはありませんね。
恐らく赤は彼岸花、その他の色はリコリスって括りがやんわりあるんじゃないかな。
彼岸花を家に飾ってはいけないという概念が薄れたら赤も「赤いリコリス」として売り買いされるかもしれません。
枢やな先生の黒執事でマダム・レッドの葬儀のシーン、シエルが「貴女に似合うのは情熱の赤、地に燃えるリコリスの色だ」って言うんですけど、このリコリスは真っ赤な彼岸花のことです。
きっと英国にはお彼岸なんて概念がありませんから、毎年真っ赤に咲くなぁくらいの感覚なのかもしれません。

彼岸花多年草で、根が生きていれば毎年彼岸の時期に咲きます。
本当に毎年春と秋の彼岸の頃です。これは日照時間で咲く時期が決まっているからだと思われます。
気温だとその辺は年ごとに変動するので。


さて、先日Twitterで知り合いのお兄さんが「そもそも彼岸って何?」と言っていました。
……ほんとだ。そもそもなんだろう?
先祖供養はするんですけど、お盆みたいに祖霊が帰ってくる訳では無い。なのに彼岸入りから彼岸明けまで7日間もある。
何十年も日本人として生きて年二回彼岸を迎えてる筈なんですけどなんも知らん。
というかこの時期に先祖供養をする由来すら知らない。
…………疑問に思わなかったんだな私。(疑問に思うとすぐ調べる人間)

さぁ疑問に思ったら調べるぞ!
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BD%BC%E5%B2%B8ja.wikipedia.org
Wikipedia侮るなかれ集合知
いやぁお盆もそうなんですけど、彼岸とかお盆とか先祖供養と宗教的なものが絡むと葬儀会社とか宗派によりけりとか地域差とかで概要がブレるんですよ。
こういう時は集合知です。

Wikipediaによると
彼岸とは、日本の雑節の一つで、春分秋分を中日とし、前後各3日を合わせた各7日間。

全然関係ないですけど、春分秋分を中日って呼んでるのを見ると小野不由美先生の十二国記で泰麒が言ってた「中日までご無事に」を思い出しますね。風の海迷宮の岸に出てきます。

また続いてWikipediaによると
中日に先祖に感謝し、残る6日は、悟りの境地に達するのに必要な6つの徳目「六波羅蜜」を1日に1つずつ修める日とされている。

……。
まって、まって。知らん知らん知らん。何それ。
彼岸入りから明けまで先祖供養だと思ってましたけど!?20日の彼岸入り仕事帰りにお墓掃除に行きましたけど?
お寺で彼岸会が行われることから神道ではなく仏教の行事かなとは思ってたけど、こんなガチガチの仏教概念を修める日だったの?

大体日本の雑節含む節句神道由来と仏教由来と大陸の儒教由来と道教由来が混ざってて……もぉ~。宗教ちゃんぽん国家め。
……はぁ。
成程。中日の「先祖に感謝し」が先祖供養になってそこだけ民衆に広まってる感じか。
知らなかったことが概要だけでも知れてすっきりしたけど、喜捨とか戒律を守るとか本来の彼岸は実行出来そうにないなぁ。
今まで通り祖先供養だけしとこう。

そう言えば江口夏実先生の鬼灯の冷徹ではお彼岸の話題扱ったんだろうか。
完結したと聞きつつ読めていない。

積読とソシャゲの時間と仕事と執筆の時間考えたら一日の時間全然足りないですね。
足りないですけど、まぁちょっと合間にお墓や仏壇に手を合わせるのもアリかなと思います。

暑さ寒さも彼岸まで、涼しくなってきて日持ちもしますし、お花でも買って家に飾るのもいいかもしれません。
赤い彼岸花以外で。